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新施設計画の紹介

カトリック恵方町教会が地域の皆様に宛てた手紙


  平成19年7月下旬、カトリック恵方町教会が多機能型施設計画に関して、以下の手紙を、地域住民のみなさんに出されました。その全文を紹介させていただきます。


AJUの建て直し計画に関するカトリック恵方町教会の立場


町内会の皆様へ


  このたび、AJUの建て直しおよび多機能型施設計画が公表され、そのために町内で不安を抱く方々もおられ、反対の意見を述べる方々も少なくございません。その状況を受けて、カトリック恵方町教会の立場を明確する必要があると存じて、こうして、手紙をもって、教会の見解を町内会の皆様にお伝えしたいと存じます。

  AJUは教会によって設立され、同じ敷地内を分かち合っている「身内」だという実感は教会側にございます。それに、キリスト教の精神は社会の弱者や社会から除外される人々に特別に目を配り、連帯を深めるものであり、福祉活動や社会から除外される人々のための活動を好意的に見、そのような活動を奨励し、応援する方針がキリスト教にございます。

  もちろん、障害者や社会の弱者への関心は教会の特有のものではございません。町内会へのAJUの説明会において、多くの町内会の方々も障害者への手助けの必要性に関する認識を表明しておられました。建直し計画(多機能型施設建設)に関する、町内におけるためらいは近所の安全性が損なわれることへの懸念によるものであり、障害者に対する無理解や冷たさではないことをよく理解しております。教会にとっても、近所の安全性は、いうまでもなく、重要な課題です。

  多機能型施設建設計画の問題は、それがAJUの活動の拡大を意味するということです。つまり今までの身体障害者に加えて、アルコール依存症者および精神障害者も対象にすることになるということです。若柳町や松風町の周辺は住宅地であり、子供もいる地域であり、危険かもしれない人々を近所に来させるようなプロジェクトを開始するには、不安があることは、決して理解しがたいことではございません。

  確かに、最近、精神障害者による不祥事がしばしば報道されています。AJUの活動を拡大し、アルコール依存症者や精神障害者を対象にするようになると、近所においてもそういうことが起こらないという保障はあるかという疑問がどうしても生じます。

  精神障害による不祥事、そして精神障害者の数自体が増えているという印象が確かにあります。しかしアルコール依存症や精神障害への治療が大変進んでいることも事実です。アルコール依存症から立ち直って、20年も30年もたっている人は現在決して少なくありません。精神障害に関する治療もわずか数年前と比べても、かなり性能のよい薬が開発されてきていますので、以前の状況とかなり違うようになっています。

  さらにAJUが計画しているプロジェクトが対象にしている人たちは治療が終了して、社会復帰の段階に入っている人たちです。アルコール依存症者の場合は少なくとも6ヶ月以上断酒してきている人たち、精神障害者も最も障害程度の低いものであり、治療もきちんと受けていて、社会復帰に支障がないと診断されている人たちになります。

  アルコール依存症者の場合、お酒さえ飲まなければ普通の人なのです。家庭にアルコール中毒者を抱えている人はそれをよく知っているでしょう。

  「お酒さえ飲まなかったら・・・」という思いはよくあるでしょう。積極的に回復に向かっていって、数ヶ月もお酒をやめているアルコール中毒者は普通の人との差はほとんどないでしょう。精神障害者も、結局普通の人との差がそれほどないということです。事件を起こさないという保障はもちろんありません。人間の社会のどこにもそのような保障はありません。

  しかし、精神障害者による、近年のさまざまな事件を考えると、患者が通院していた施設の近辺で起きているのではなく、むしろ施設の所在地と関係なく起きているようです。施設を作ることで安全性が損なわれると考えている理由が本当にあるでしょうか。少なくとも、施設を作らないことで安全性を図れることはまずないことは確実でしょう。このような施設がないこと、あるいはその数が足りないことは、決して安全な社会を作るためになると思われません。

  このような施設を若柳町で作るという理由はもちろん明白です。それはその基盤となるAJUという施設があるからです。そして、国の方針では、そのような施設が幅広く障害者を受け入れることが期待されるようになっており、AJUの計画はその方針に沿ってきちんとした受け入れ体制を整えるためだと理解しております。

  なお、どの地域であろうと、このような施設を設けようと、今恵若町や松風町で反対する人々がいるのとまったく同じ理由で反対されます。ですから、今回の計画案は、すでに基盤がある若柳町で実現することができなければ、現実にはどこにおいても実現されないという結果になりかねないと理解しております。

  障害者が増えている中で、しかも治療法も改善されている状況では、このような施設の実現は社会全体のために重要です。どうして障害が増えているか、予防がどのようにできるかも、もちろん重要です。しかし、すでに障害を抱えている人々の治療と社会復帰はやはり重要です。

  町内にそのような施設がある場合と、全体的にそのような施設がない場合、もしくはその数が足りない場合と、どちらのほうが町内の安全がより保たれるかというと、施設が欠如している状態のほうが危険であり、町内の中に施設があったほうがまだ安全だと考える理由が十分にあると思います。施設実現ができなかった場合、実際に可能となっている治療が行われないという結末になり、それは決してより安全な社会を作るためにはなりません。不祥事が施設の所在地に関係ないということを考えれば施設の設立を応援しない理由はあまりないように思われます。

  上記の理由で、カトリック恵方町教会はAJUの多機能型施設計画を応援すると決めております。AJUがしっかりした体制を持って、住民の不安を十分確認して取り組むことを期待しております。町内のみなさまのご理解とご協力もお願い申し上げます。

恵方町教会  主任司祭

川上  栄光

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